子どもが1歳(半)になった ② お産の話
Oct 24, 2016 / BLOG

サムネイルは紙袋をかぶって資源ゴミの中にいる娘です。

「お産の話なんか興味ないわ〜」という人、たくさんいると思います。
特に男性はこの先経験することは絶対ないし、自分には関係ないなーという人もいるでしょう。
でも妊婦さんにとっては結構聞いてみたい話。
わたしは聞いてみたかったです。
もう何をしてもいずれやってくるお産という瞬間がとにかく未知で、不安いっぱいでした。

どんな怖い思いするんだろう
子どもは無事かな
自分は無事かな
痛いかな
どんな風に痛いかな
終わった後も痛いかな
わからないことだらけです。
なので少しでも参考になればと思うので、書きます。

かんしって何?
最近は、赤ちゃんを傷つける恐れがあったり、産婦さんの傷も大きくなるとかで
鉗子(かんし)分娩を行う医療機関が少なくなっているそうですが、
わたしは鉗子分娩でした。 ママ友さん(わたしにも一応いるのだ。)に話しても
「?かんしって何?」って言われるので、やはり少ないようです。
鉗子っていうのはちょっとポップに説明すると、
バイキングとか行きますよね。
よそう道具で、でっかいスプーンとでっかいフォークがくっついてるみたいなやつあったりしますよね。
あれみたいなやつです。
微弱陣痛などでなかなか赤ちゃんが出てこれない時、
そのバイキングのやつで「よいしょ!」と出てくるお手伝いをするんです。
こんなやつ↓
tongs

パン食ってました。
わたしは、娘が生まれる日の未明からお腹の痛みを感じてました。
なーんか痛い。痛い波がくると目が覚めるくらい痛い。
でも、のたうちまわるほどではないです。
朝起きてお手洗いでおしるしと多めのおりもの(なんかすいません)が出ていて
破水だったら困るので念のため病院に連絡。
(破水すると即入院です。)
「入院にならないかもしれないけど、念のため用意して来てください。」
と言われ、行くことにしたのですが、
電話の雰囲気からしてそんなに急がなくていいのかな〜〜と
のんびりパンとか食べていたら
再度病院から電話。「まだですか!?(ちょっと怒)」
「パン食ってました。」とは言えない空気だったので、「今出るところです(モグモグ‥)」と嘘をついて、
いっそいで家を出ました。
この時点で陣痛7〜15分間隔。痛い時は立ち止まらないと耐えられないくらいの痛みでした。

マタニティマイタクシー
「今がその時!!」とばかりに登録しておいたマタニティマイタクシーへ連絡しました。
マタニティマイタクシーとは国際自動車さんがやっている妊婦さん専用のタクシー迎車サービスです。
(登録可能地域が決まっていますので要確認)
破水に備えてシートがあったり、事前に産院を登録しておけるなど、心強いサービスです。
が!!
この「いざ!」という時に、「全車出払っていて、到着までだいぶお時間がかかります。。。」
ちなみにわたしの家はタクシー乗り場まで3分です。
というわけでせっかく登録したから使いたかったけれど歩いてタクシー乗り場まで行きましたとさ。
残念です。
でも自宅でない時に陣痛が来たり破水してしまった時、登録しておけば心強いと思います。
妊婦さんにとっては、準備することで不安を取り除けるということ自体が大事だと思います。

ゲン担ぎ
病院に着いて、陣痛室(その名の通り陣痛の間過ごす部屋)で
心音計(赤ちゃんの心泊を計る機械)をつけたりなんだりしていたら、
「このまま入院しましょう」ということになりました。
よく聞く話ですが、陣痛中に食事を摂ることが勧められます。
看護師さんから「体力がもたないので今のうちに食べておいてくださいね。」
というネットでよく見聞きした言葉をかけられ、
「ぉぉお。。(ついにきた)」と思いながら、夫に食べるものを買ってきてもらいました。
夫のセレクトの中にお赤飯のおにぎりがあり、「赤飯!?」と思いながらも、迷わずそれを食べました。
これからおめでたいことがありますからね〜。

点滴
いろんな検査などの結果によって、抗生物質を点滴しながらお産をすることがあります。
わたしがそうでした。
まず点滴をつけたのですが、その点滴が、入らない。
左腕にやって、右腕にやって、入らない。看護師さん替わった、入らない。また別の人来た、入らない。
看護婦さん3人、最後は先生が来て、やっと点滴入りました。
入った頃には両腕、あざだらけ。「何回刺すの!!」と思って、つらかったです。
もちろんその間も陣痛が5〜7分おきにきてました。

手がビビーーン
なんだか自分の意識とは別で、周りがバタバタしだしました。
急にお産が進んだとかで、わたしも手がしびれて固まってビビーーンとなってます。
よく聞くお産の話では、陣痛室でみんな何時間もうめきながら分娩室へGOのサインを待ち、
自力で立って移動します。(地獄ですね。)
わたしはギャギャッと車椅子がきてそれに乗せられ、隣の分娩室へズギャギャと運ばれました。
「そんなやばいの?何?わたしやばいの?」と不安になったのを覚えています。
病院に到着してから分娩室へ移動するまで正味1時間半。
「出産というのは陣痛室で耐える時間が長いもんだ」思っていたのですが、わたしは違いました。
すぐ酸素マスク、尿道に管、地味な苦痛が続きます。 笑

ジュディ、ジョニ、ジュディ、ジョニ‥
わたしが出産した病院ではバースプランをたてることができました。
バースプランというのは、分娩の際にどんな環境で取り組みたいか、
可能な限り産婦さんの希望を叶えようというものです。
普通の病院で「イルカがいるプールで出産したい」とか無茶を言うのはダメです。
少し照明を落とすとか、アロマをたくとか、そういったことです。
わたしは自分の好きなCDをかけることをバースプランに入れてみました。
女性の力を借りようと、選んだのはジュディシルジョニミッチェルでした。
はっきり言って聞こえてようが聞こえてなかろうが関係なかったです。
ジュディシルのあとにジョニ、ジョニのあとにジュディシル、、、、
分娩中延々と2枚がリピートされていました。
「またこの曲きちゃった‥」「またジョニ‥」と時間の経過を感じるツールと化してしまいました。
でも2枚ともすごく好きなアルバムなので気持ちが乱されることはなかったです。

立ち会った夫
分娩には夫が立ち会ってくれました。
わたし自身、意識はあったのですが、
やはり痛みやらいきみやらでいろんなことがよくわかっていなかったようです。
あとから立ち会った夫に聞いたら、もしかしたら帝王切開になるかもしれないと夫に説明があり、
同意書へサインをしたりしたそうです。
全く気づいてなかったけど、都度状況の説明を受けていたようです。
立ち会う人がいなかったら自分でサインするんでしょうか。笑
立ち会ってくれた夫のことを考える余裕は全くなかったです。
夫の手を握って「痛い」とか言われたら腹が立つので
陣痛の波がきたら振りはらってベッドの手すりを握りしめていきんでいました。

シフト制
結果からいうとわたしは分娩台に7時間いたのですが、
その間、ずーっと同じ助産師さんがついていてくれることは難しく、
シフト制?で次々と交代していきました。
おそらくわたしより若いであろうかわいらしい助産師さんがついた時には、
いきみの声かけが小さかったり無かったりしたので
「声が小さくて聞こえない!どうしたらいいかわかんない!!」と面と向かって言ってしまいました。
こちとら人生であっても数回、命がけ、しかも初産なので、
助産師さんに「こうしてほしい!」ということがあれば、言っていいと思います。
わたしの場合は、最終的に赤ちゃんが出てくる時までついていてくれた助産師さんがとても頼れたので、
この方が担当のうちに産まれて本当に良かった‥と思いました。
助産師さんて、本当にすごいお仕事だと思います。

イケイケ女医あらわる
「◯時まで頑張って出てこなかったら、鉗子という道具でお手伝いします。」と先生に告げられ、
時間までがんばっても赤ちゃんは出てきませんでした。
いよいよ「鉗子で出しましょう」となると、どこからともなく人がわらわらやってきて
今までの3倍くらいの人が分娩室にやってきました。
後に私たち夫婦に「イケイケ女医」と呼ばれる綺麗な女性の先生が現れ、
おもむろにわたしの横に台を置いて立ち、「よ〜しやるか」と言わんばかりに腕まくりしています。
「次で赤ちゃん出すからね〜いきますよ〜〜」と言われ陣痛の波がくると同時に
わたしはいきみ、先生たちはお股で「よいしょ」と引張り、
イケイケ女医はわたしのお腹をエイヤエイヤと全身の力で押しています。
いきみながらもイケ女の姿に「うおお」と思ったのですが、
その次の瞬間、人生で感じたことない強烈な痛み(お股です。)が走り、
「ぎゃあー!」と叫び声をあげてしまいました。
痛い時って本当に叫び声をあげるんですね‥。
わたしの叫び声を追うように、すぐ「ふぎゃー」と赤ちゃんの泣き声が聞こえました。
助産師さんの「もういきまないで!!裂けちゃうから」という恐怖の声かけに固まりながらも、
「出た、泣いた、よかった」と思いました。
生まれた赤ちゃんが健康なのかどうか、そればかり気になりました。
イケイケ女医がわたしのお腹を押す様子を見て夫は、「こ、壊れちゃうよ〜〜」と思ったそうです。

やってやった
赤ちゃんが出てきた瞬間なんて思ったか?という質問に対する経産婦さんの回答で、
「やっと会えたね」「生まれてくれてありがとう」「これからよろしくね」
とかいう美しい言葉をよく聞きますが、
わたしの場合は、「自分すごい」でした。
自分のことしか考えてない美しくもなんともない言葉です。
血だらけの赤ちゃんがズズンと取り出されたのが見えて、声をあげていて、
「ウワァ、わたしやったぁ!」とまず思いました。
よっしゃ〜〜みたいな達成感みたいなものがあったと思います。

お産=分娩?
ドラマでもお産の瞬間(≒分娩)はドラマチックに描かれますよね。
世のお産未経験女子はそれを見て「うへ〜痛そ〜」と思うわけですが、
お産=分娩ではありません。
分娩が痛いのはもちろんですが、その後もしばらく痛いです 笑
わたしの場合は鉗子分娩で器具を用いたため、傷が少しだけ大きかったようで
お産の後、傷(もちろんお股で〜す)を1時間近くチクチクチクチク縫われました。
(お友達に、同じ鉗子でもっとひどい目に遭った人もいました。)
わたしの場合は少し大きな病院での分娩だったので
分娩を担当してくださった先生は初対面のふたりの男性でした。
もちろんお医者さんだし分娩から診てくださっているので最早なんとも思わないですが
初対面の男性ふたりがよってたかってお股の傷を覗き込んでチクチク縫いながら
「あーでもないこーでもない」と言っている状況が1時間近く続くのです。
「まじで産科医ってすごいな‥」と思いました。
大きい病院だったので、「分娩後に担当してくださった先生に会うことはもうないんだろうなぁ」と
思っていたのですが、入院中毎日ふたりの先生のうちどちらかは必ず様子を見にきてくださって、
(ふたりとも来た日もあった)うれしかったです。
先生が毎日きてふたりとも「どう?痛い?笑」と半笑いで聞くので、
痛み止めが効いていても痛いような気がしてました。

産後の流れはまた別途!